講師の俳句 毎月更新

柳 2024年4月

ランチ膳持つて二階へ柳かな

芽柳や朝の静けさ黄金町

ごはん粒流れにまじる柳かな

大木や雲を流して柳の芽

金色の時間となりぬ盃流し    盃流し=曲水の宴

また一つ瀞(とろ)にとどまる酒盃あり

波音や陽炎ひてゐるものばかり

今朝の事すでに陽炎ひゐたりけり

隣の間二日灸(やいと)の客ありき

刺身少し買つて日永を帰りけり

金色の片雲一つ永き日を

永き日の片雲消えてなるものか

永き日の雲消ゆるなら消ゆるべき