講師の俳句 毎月更新

朧       2017年4月

濃厚な白となりけり春の富士

帰りゆく鳥を見てゐたとは言はず 鳥帰る=渡り鳥が春、北方へ帰ってゆくこと

葉の影に光の縁(ふち)や水温む


(ゆる)さうぞ朝寝の脛(すね)を踏みし人


(くすのき)は嵐となりて月おぼろ

震災から六年、我いまだ

何もなき朧(おぼろ)を思ふさへ怖し

紫木蓮(しもくれん)(ひよ)喰ひ散らす夕べかな  鵯=ひよどり


けふもまた同じ夫婦や花の下(もと)

堤防に沿ひ行き春の海見えず