講師の俳句 毎月更新

蟇(ひきがへる) 2025年8月

ここにまた羽化するいのち夜の秋

蟬生る空の白みてゐたりけり

炎天のまだ濡れてゐる油彩かな

屏風巖裏に雪渓ありと聞く

雪渓の此処ずたずたや岩場行く

蟇めうがの花のほのあかり

(てのひら)にのせて涼しや蟇

団扇にて掬つて抛り捨てしもの

暗がりに頻りと動く団扇あり

遠泳のつまらぬ陸に戻りけり

父親が板についたる水着かな

雲の峰下りて畑にものを燃す