講師の俳句 毎月更新

成瀬城址 2025年6月

一雨や堰を切つたるごとく夏

葉桜の風移りたり葉桜に

城址や春の居坐る三四日

朝の雨新茶来たりし朝の雨

花束に海芋の白や夜の雨

手に取つて選ぶ鉢植薄暑かな

(をののき)のいつしか白き繭の中

朝日さす芍薬の白牡丹の白

水墨の緋牡丹そして白牡丹

散水機よけて象亀歩みゆく

あぢさゐに藍きざしたる木の間かな

大鯉に大亀の寄る梅雨入かな

五月三十一日友人の誕生日なれば
雲を友太陽を友夏燕