講師の俳句 毎月更新

わたつみ(海)  2026年11月

霧深く川の出合へるところかな

ことごとく霧の雫や遊園地

植付けてゆく朝霧のビオラかな

霧深く使ふ公衆トイレかな

鬼柚子や一ついかにも鬼の顔

わたつみの真つ只中に登高す  登高=九月九日に高いところに登り厄払いする中国由来の風習

海青く空青くして秋の暮

好日や好日なりて秋の暮

鷹柱こぼるる一つ二つあり

一つだに鷹をとどめぬ青さかな

手を振れる人また一人渡り鳥

鰯雲布団叩けば増えてゆく

秋の蚊を打てりしみじみ独りなり