講師の俳句 毎月更新

神の留守  2022年11月

秋晴や乳に咽(む)せたる赤ん坊

秋晴や店の隠るゝ大のれん

菊膾(なます)啜りてあつけなかりけり

菊膾箸をつけざる一人あり

タイタンと言うて子芋の炊いたもの

酔客が朝顔の種採りくれし

林檎丸かじりバレリーナの姉妹

赤い羽根財布の中にしまひけり

毟らるゝ赤い鳥たち赤い羽根

父の手の上の熟柿を啜りしこと

神の留守鏡の我と自画像と  神の留守=十一月、諸国の神々が出雲へ集まって、留守となること。